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子供のいない老夫婦の場合

 子供のいない老夫婦の場合、夫婦の一方が死亡したときに配偶者が当然に1人で相続ができるものと思っている人が多いですが、実際は違います。長年連れ添ってきた夫婦の一方が死亡したときに、長い間全く付き合いのなかった被相続人(亡くなった方)の兄弟姉妹も相続にとなってきます。残された財産を相続するにしても、処分するにしても遺産分割協議が必要となってきます。協議書作成には兄弟姉妹の実印が必要となります。兄弟姉妹と疎遠な間柄であった際は一筋縄ではいかず、ハンコ収集に非常に手間が取られることになります。さらに、兄弟姉妹の中で先に亡くなられている方がいると、代襲相続人である甥や姪が相続人となりますのでより相続関係が複雑になってきます。
 以上のように、法定相続人が配偶者と兄弟姉妹(またはその代襲相続人)である場合には、あらかじめ配偶者に全財産を相続させる旨、遺言を作成しておく必要があります。
 *兄弟姉妹には遺留分はありません。

2025年11月12日

公正証書の作成手続きのデジタル化

公正証書作成手続きデジタル化の要点


2025年10月1日から公証人法が改正され、公正証書作成手続きがデジタル化されます。
主な改正点は以下の2点です。

公正証書の電子化: 従来紙であった公正証書の原本が、原則としてPDF形式の電子データとして作成・保管されるようになります。正本・謄本も電子ファイルでの交付が可能となり、書類管理の安心感と利便性が高まります。
 

リモート方式の導入: Web会議システム(Microsoft Teams)を利用し、公証役場へ行かなくても、自宅などからオンラインで遺言などの公正証書を作成できるようになります。高齢や遠方在住などで役場への出向が難しい方にとって大きなメリットです。

ただし、リモート方式の利用には、公証人が「相当」と認めることや、パソコン、ペンタブレットなどの機材準備が必要といった注意点もあります。

相当性の考え方の例

 会議の必要性:本人の心身状況、居住地域との距離などから出頭が難しいか
 本人の意思・判断能力:医師の診断書で十分な判断能力が確認できるか
 遺言の内容:財産配分に合理的な理由があるか
 利害関係者の同席防止策:会議開始時などに全方位を撮影し、周囲にいないことが確認できるか
             証人が本人と同じ場所から参加できるか

署名・押印の電子化
従来は嘱託人や証人が紙に署名押印し、公証人も職印を押していましたが、電子化に伴い次のように変わります。
嘱託人・証人など:タッチパネルやペンタブレットを利用して電子サインを行います。
公証人:電子サインに加えて、電子署名(官職証明書の埋め込み)を行います。
 
 デジタル化の概要(法務省HP)

2025年11月03日

遺言①

 

遺言書を書く時の注意点

遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を必ず遺言者が自書し、押印します。
遺言の作成日付は、日付が特定できるよう正確に記載します。

財産目録は、自書でなく、パソコンで作成も可能です。また、不動産の登記事項証明書や通帳のコピー等を添付する方法で作成することもできます。但しこの場合は、その目録の全てのページに署名、押印が必要です。

書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるようにした上で、訂正・追加し、その旨を付記して署名し、かつ訂正又は追加した箇所に押印します。
*書き損じたり追記する内容がある場合は、手間ですが書き直しを推奨いたします。

2025年10月07日

特別縁故者とは

 特別縁故者とは亡くなった方(被相続人)に法定相続人がいない場合に、特別な関係性を理由に財産を受け取れる人のことです。相続人が1人でもいる場合は、いくら被相続人と特別の縁故があったとして、相続財産が分与されることはありません。
 特別縁故者は、相続人不存在が確定した日から3カ月以内に限り家庭裁判所に対して残余財産の分与を請求することができます。

 特別縁故者として認められるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

○被相続人と生計を同じくしていた
内縁の配偶者や事実上の養子・養親など、生活費を共有していた人が該当します。同居だけでなく、経済的な結びつきも重要視されます。
 なお、公序良俗に反するケース(例:配偶者の生前から愛人であった場合)は認められない可能性が高いです。
○被相続人の療養看護に努めた
被相続人の介護や看護を献身的に行った人が該当します。
通常、報酬を得て介護をした場合は特別縁故者にはなれませんが、職務の範囲を超えて献身的に尽くした場合は認められる可能性があります。


 親族関係は必要でなく、献身的な世話をしてくれた隣人も特別縁故者となりえます。また、自然人に限らず、社会福祉法人なども該当します。ちなみに、特別寄与者は特別縁故者と違い、親族のみとなります。

2025年10月02日

法定相続一覧図

 「法定相続情報一覧図」は、被相続人の法定相続人を一覧図にしたものです。法定相続情報一覧図は、2017年に始まった制度で、法務局に申出をすることにより無料で取得することができます。
 これまで、不動産の相続登記申請や預貯金の払戻し、株式の名義変更など、遺産相続の手続をする際は、手続ごとに、相続関係を証明するための戸籍謄本等一式を提出する必要がありましたが、法定相続情報一覧図を取得しておくことにより、法定相続情報一覧図を戸籍謄本等一式の代わりとして使用することができます。なお、認証文の付与された一覧図は5年間再交付を受けられます。
 法定相続情報一覧図の交付の申し出は次のいずれかの地を管轄する法務局に行います。
①被相続人の本籍地 ②被相続人の最後の住所地 ③申出人の住所地 ④被相続人名義の不動産の所在地
 発行された法定相続情報一覧図は、申出先の法務局の窓口に受け取りに行くか、郵送(レターパックライトを持参。法務局でも購入可能)で返送してもらう方法があります。

2025年09月09日
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